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2018/08/03 08:44

神経質な値動きか、米中貿易戦争と人民元安進行に警戒感 無料記事

◆3日の香港マーケットは、米中貿易戦争と人民元安進行が警戒される流れか。
 外部環境はそれほど悪くない。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.03%安と小幅続落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.24%高と3日続伸した。米中貿易戦争の警戒感が強まるなか中国関連株などは売られたものの、好決算のアップルがこの日も大幅上昇し、全体相場を支えている。アップルの4〜6月期決算は予想を上回る増収増益となり、7〜9月期の売上見通しも上振れた。同社株の時価総額は、米上場企業で初めて1兆米ドルに達している。半導体やIT関連の銘柄群にも買いが波及した。
 一方、中国国内の環境は不透明。2日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が2.0%安と大幅続落した。米中貿易戦争が長引くとの見方が強まり、中国景気の先行きも不安視されている。トランプ米政権は2000億米ドル相当の中国製品に追加輸入関税を課す計画について、「追加関税率を当初予定の10%から25%に引き上げる検討に入った」ことが分かった。中国商務部の報道官は、「中国は充分な対抗措置を打ち出す準備ができている」との談話を公表している。
 人民元安の進行もマイナス。中国人民銀行(中央銀行)は2日、人民元レートの対米ドル基準値を5日ぶりに元高方向へと設定したものの、外国為替市場では元安の動きが止まらない。オフショア市場では昨夜、人民元は約1年2カ月ぶりの水準に落ち込んだ。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として神経質な値動きか。前述したように、米中貿易戦争の長期化と人民元安の進行に対する懸念が強まっている。米ハイテク株高は香港でも関連銘柄にとって追い風となりそうだが、全体相場を押し上げるには力不足といえよう。
 本土マーケットも上値の重い展開か。香港と同様に、複数のネガティブ材料が投資家心理を冷やすことになろう。中央や地方で不動産引き締め策が相次ぐなか、不動産株に売りが継続しそうだ。


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