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2018/07/10 08:38

しっかりか、内外株高が追い風に 無料記事

◆10日の香港マーケットは、内外の株高を追い風にしっかりか。
 外部環境はポジティブだ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.3%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.9%高とそろって3日続伸。NYダウは約3週ぶりの高値を回復している。米主要企業の4〜6月期決算が今週末から本格化するなか、好業績を期待した買いが入った。足元で米景気指標が上向いていることなどを背景に、多くの企業が大幅増益を達成したと見込まれている。米中貿易摩擦の激化に対する警戒感もやや後退。両国は6日、互いに追加関税を発動したが、その後に新たな挑発行動はみられない。
 中国国内の環境も良好だ。9日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が2.5%高と大幅続伸。上昇率は今年最大を記録した。米中貿易摩擦のアク抜けを意識。米国と中国が6日、予想通り互いに追加関税を発動するなか、「目先の悪材料は出尽くした」との見方が続いている。また、李克強首相が訪問中のブルガリアで、「中国経済のファンダメンタルズは良好。対外開放をさらに進める」と語ったことも買い安心感につながった。マーケットへの資金流入期待も強まる。中国証券監督管理委員会は8日、条件を満たした「外国自然人」に域内上場企業への直接投資を認める方針を表明した。◆中国域内で就労する外国人、◆A株上場企業の海外拠点で働く外国人従業員で、株式報酬のインセンティブが付与されている者――について、中国域内でA株証券取引口座を開設することを認める。複数の好材料が重なるなか、投資家のリスク選好が強まった格好だ。
 なお、本日は朝方(日本時間10時半ごろ)に6月の中国物価統計が発表される予定。直前のコンセンサス予想では、消費者物価指数(CPI)の伸びが前年同月比1.9%(前月は同1.8%)、生産者物価指数(PPI)が同4.5%(同4.1%)で着地するとみられている。PPIは企業活動の目安となることもあり、想定以上に伸びた場合、投資家心理が一段と上向きそうだ。
 こうした内外環境の下、本日の香港マーケットは全体として堅調に推移しよう。内外株高で投資家心理が改善している。また、先週までの急ピッチな人民元安が一服したこともプラス材料だ。
 本土マーケットもしっかりか。前日に急伸した反動で売りが出る恐れはあるものの、相場の地合いが好転しているため、押し目を拾う動きが期待できそうだ。


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