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2021/01/28 09:08

売り先行か、米株急落が重しに 無料記事

◆28日の香港マーケットは、米株急落を嫌気した売りが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比2.1%安と5日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も2.6%安と続落した。下げ幅はいずれも今年最大。NYダウは約3週ぶりの安値水準に沈んだ。主要企業の決算報告が本格化する中、赤字幅拡大を嫌気し、ボーイングが4.0%安と急落。投資家心理を冷やす一因となった。また、業績の裏付けがない銘柄(ボロ株)に値動きの良さに注目した個人投資家が殺到し、株価が急騰していることについて一部の機関投資家は、「マーケットの正当性が損なわれている」と指摘。投資家の慎重姿勢も強まっている。なお、27日まで開かれていた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、「ゼロ金利」政策を維持することが決定された。事前予想通りだったこともあり、好感する買いは限定された。
 一方、中国国内の環境には好悪材料が入り混じる状況。まず、指標の改善はプラスだ。国家統計局が27日公表した昨年12月の全国工業企業利益は前年同期比で20.1%増加し、11月の15.5%増から大幅に加速している。中国の過度な金融引き締めに対する警戒感もやや後退。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は26日、世界経済フォーラム(WEF)のパネル討論会で、「人民銀行が金融政策による支援措置を早期に解除することはない」と言明した。その半面、人民銀が資金吸収を続けていることはマイナス。27日は、公開市場操作(オペ)を通じ、3日続けて市場資金を引き揚げた。また、人民元建て上海銀行間取引金利(SHIBOR)の翌日物は27日に引き続き大幅上昇し、2019年4月以来、約1年9カ月ぶりの高い水準に達している。
 こうした中、本日の本土・香港マーケットは全体として苦戦を強いられる展開か。上述したように、米株の急落が投資家心理の重しとなりそうだ。また、今年1月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)の公表を週末(31日)に控え、様子見ムードが強まる可能性もあろう。


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