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2021/04/14 08:45

上値の重い展開か、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆14日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はそれほど悪くない。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.2%安と続落したものの、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.1%高と反発した。機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数は0.3%上昇し、史上最高値を更新している。新型コロナウイルスのワクチンを巡るネガティブニュースは重しとなったが、米長期金利の低下が相場を下支えした。米食品医薬品局(FDA)など米当局は13日、医薬品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発したコロナワクチンについて、接種後に血栓が生じる事例が6件報告されたため、使用を一時中断するよう勧告。同ワクチンは「一回の接種でも高い効果がある」とされていただけに、経済活動の早期正常化に対する期待がやや後退した。他方、米労働省が13日公表した3月の消費者物価指数(CPI)は約8年半ぶりの伸びを示したが、市場には「金融当局が緩和政策を変更するほどではない」との見方が広がり、米10年債利回りは急低下している。30年債入札が好調だったことも金利低下を後押しした。
 一方、中国国内では引き締め懸念がくすぶる。12日に公表された今年3月の金融統計では、人民元建て新規融資額が予想以上に前月から増加した。1〜3月にかけた新規融資額は7兆6700億人民元に膨らみ、四半期ベースの過去最高を記録している。バブルを警戒する金融当局は、緩和的な金融政策を調整する――との不安も浮上する状況だ。また、一部ネット企業に対する圧力も懸念材料。国家市場監督管理総局など中国の関係部門は13日、インターネットプラットフォーム企業に対する行政指導会議を行った。会議では、取引先に「二選一」(二者択一)を迫るなど、公正な市場競争を阻害する独占行為を厳しく批判。各プラットフォーマーに対し、1カ月内に全面的な自主調査を実施し、徹底的に問題を是正するよう求めた。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米金利低下は好材料だが、中国の引き締め懸念が引き続き相場の上値を抑えそうだ。また、今週16日に、1〜3月の中国GDP成長率が公表されることも気がかり。様子見ムードが高まれば、買い手控え要因となろう。


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