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2018/07/25 08:39

しっかりか、中国の政策と企業業績に期待感 無料記事

◆25日の香港マーケットは、中国の政策や企業業績に対する期待感が相場を支える流れか。
 外部環境は良好と言える。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.8%高と4日ぶりに反発し、約1カ月半ぶりの高値を回復した(ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.01%安と小反落したが、ザラバでは史上最高値を更新)。米企業業績の好調が支え。4〜6月期決算が上振れたベライゾン・コミュニケーションズや、同決算が増収増益だったユナイテッド・テクノロジーズなどが上昇しダウ平均を押し上げた。ただ、このところ上げが目立っていた大型ハイテク株の一角には利益確定売りが出ている。
 中国国内の環境もポジティブ。24日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.6%高と3日続伸した。約1カ月ぶりの高値水準を切り上げている。政策期待が強まる流れ。国務院(内閣に相当)は23日の常務会議で、内需拡大に向けて「財政政策をより積極化」する方針を打ち出している。また、同会議で李克強首相は、地方政府に予算枠外での債券発行を認める考えも示した。インフラ建設を推進する狙いがある。金融当局も緩和的な政策に舵を切った。中国人民銀行(中央銀行)は23日、「中期流動性ファシリティ(MLF)」を通じて5020億人民元(約8兆2530億円)の資金を供給。過去最大のMLF規模となった。市場では、預金準備率の引き下げなど当局が追加金融緩和に踏み切るとの観測も流れている。
 こうした内外環境の下、本日の香港マーケットは全体としてしっかりとした展開か。米株市場が安定していることや、中国の政策に対する期待感が投資家心理を上向かせよう。また、上場企業の決算発表が始まるなか、業績期待も強まる状況だ。これまでに業績見通しを明らかにした企業では、多くが増益などの好業績を予告している。ただ、米中貿易摩擦の警戒感がくすぶっていることはマイナス。米通商代表部(USTR)は24日、中国の知的財産権侵害に対抗する制裁関税第2弾の公聴会を開いた。米政権は6月15日、500億米ドル相当の中国製品に25%の追加関税を課すことを決定(うち340億米ドル分は7月6日に発動)。25日に開かれる公聴会を経て、残り160億米ドル分についての関税リストが確定される見込みだ。第2弾が発動された場合、中国側も報復に出ると予想されている。
 本土マーケットは上値の重い展開か。中国の政策や企業の業績に対する期待感はあるものの、直近の上昇ピッチが速いため、利食い売り圧力も強まっている。人民元安が止まらないことも懸念材料だ。昨日の上海外国為替市場では、人民元が対米ドルで約1年1カ月ぶりの元安水準で推移している。


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