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2021/01/15 09:14

上値の重い展開か、対中制裁の動きを懸念 無料記事

◆15日の香港マーケットは、対中制裁の動きを懸念して上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には不透明感が漂う。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.2%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%安と3日ぶりに反落した。次期政権の経済政策を見極めたいとするスタンスが買い手控えにつながる。バイデン次期米大統領は14日夜(現地時間)、新型コロナウイルス禍に対処するための追加経済対策を発表する予定だ。経済対策の規模は、第1弾として1兆9000億米ドルに上るとの見方が流れる中、序盤は買いが優勢だったものの、上値は重く、引けにかけて指数はマイナスに転じている。
 対中圧力の動きも懸念。米商務省は14日、「エンティティーリスト(輸出を規制する外国企業リスト)」に石油大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)を追加した。また、国防総省は、スマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)など9社をブラックリスト(中国人民解放軍が所有、または支配していると見なされる中国企業)に追加。米国人はリストに掲載された企業の株式投資を禁止される。
 一方、中国国内の環境には、好悪材料が入り混じる状況。プラス材料としては、中国経済指標の上振れが挙げられる。14日公表された昨年12月の中国貿易統計では、人民元建て輸出が前年同月比10.9%増となり、事前予想(7.1%増)を上回った。半面、新型コロナウイルス感染が再び増加していることは不安材料となる。中国の国家衛生健康委員会は14日、新規感染が13日に138人に達したと発表した(12日は115人)。また、昨年4月以来、約9カ月ぶりに感染者の1人が死亡している。香港メディアは15日、中国で13日から14日昼までの間に新規感染者174人を確認したと報じた。
 こうした中、本日の本土・香港マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、米国による対中制裁の動きが投資家心理を冷やしそうだ。また、中国で週明けに、20年10〜12月期GDP成長率や12月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)が発表されることも気がかり材料として意識される場面もあろう。


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