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2020/10/14 09:04

神経質な値動きか、米景気懸念が重しに 無料記事

◆14日の香港マーケットは、米景気懸念がくすぶるなかで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.6%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%安とそろって5日ぶりに反落した。投資家の慎重スタンスが再び強まる。与党・共和党のマコネル上院院内総務は13日、新型コロナウイルス対策に向け、小規模な景気対策を採決すると表明したが、野党・民主党のペロシ下院議長が即座に否定するなど与野党で歩み寄る気配はない。経済対策の遅れで、景気回復も遠のくと危惧されている。コロナ治療を巡る不透明感も重し。米製薬大手イーライリリーは13日、開発中のコロナ抗体治療薬について、安全性の問題により臨床試験(治験)を一時中断したことを明らかにした。また、米製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は12日、被験者に原因不明の症状が出たため、コロナワクチンの治験を一時中断したと発表している。
 一方、13日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が0.04%高と小幅ながら3日続伸(約1カ月ぶりの高値)。地方振興や産業支援など、政策に対する期待感が持続した。国務院は11日、「深センが中国の特色ある社会主義先行モデル地区を建設するための総合改革テスト実施法案(2020〜25年)」を発表し、金融・資本市場改革などを推進していく方針を打ち出した。また、今月26日には、重要会議の第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)が始まり、第14次5カ年計画(2021〜25年)が策定される。これまでの報道によると、第14次5カ年計画では「内部循環」による経済成長を優先し、「外部循環」によってそれを補完する「双循環」(2つの循環)戦略が主要テーマとなる見通しだ。
 なお本日(14日)は、「深セン経済特区」設立の40周年記念式典に習近平・国家主席が出席し、重要講話を行う予定となっている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国の各種政策に対する期待感が根強い半面、米景気懸念がくすぶっている。なお、香港市場は前日、台風警報の発令で終日取引中止となった。取引再開の影響にも注視したい。


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