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2018/07/12 08:48

売り先行か、米中貿易戦争の警戒感が逆風 無料記事

◆12日の香港マーケットは、米中貿易戦争の警戒感で売りが先行する流れか。
 外部環境は不透明だ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.9%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%安とそろって5日ぶりに反落。米中貿易戦争の警戒感が再び強まり、投資家のセンチメントが悪化している。トランプ米政権は11日朝方(日本時間)、新たに10%の追加関税を課す中国製品2000億米ドル相当の対象リストを公表した。米政権はこれ以前に、中国の知的財産権侵害に対抗するとして500億米ドル相当の中国製品に25%の追加関税を課すことを決定(うち340億米ドル分は7月6日に発動)。中国側も同規模の報復措置を打ち出している。中国商務部は11日、米国の動きを「断じて受け入れられない」とする報道官談話を発表。前回と同様に、「反撃せざるを得ない」との姿勢を示した。中国での売上比率が大きい銘柄に売りが先行したほか、原油安が嫌気されエネルギー株なども下げている。
 中国国内の環境もネガティブ。11日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.8%安と4日ぶりに反落した。米中の対立が長期化するとの見方が強まり、中国経済にダメージをもたらすと不安視されている。上海総合指数の構成銘柄は、ほぼ全面安となった(9割超がマイナス)。人民元安の進行も逆風。上海外国為替市場では昨日、元安(=米ドル高)が進み、再び約11カ月ぶりの水準に達した。
 こうした内外環境の下、本日の香港マーケットは全体として苦戦を強いられよう。米中関係の悪化を懸念した売りが続きそうだ。本土・香港間の相互株取引を通じた昨日の売買で、本土からの香港株売買が売り越しとなったことも不安要素となろう。
 一方、本土マーケットは下値を固める展開か。米中貿易戦争の危機感が強まっているが、指数は前月からの下落基調で値ごろ感も強まっている。中国証券監督管理委員会の高官が11日、売り要因のひとつとされていた「株式担保融資のリスク」について、株価下落による強制決済の影響は限定的だと強調したこともプラス材料だ。


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