/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2020/10/20 09:14

方向感を欠く展開か、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆20日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には不透明感がくすぶる。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前営業日比1.4%安と反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.7%安と5日続落した。欧州や米国で新型コロナウイルス感染の再拡大が警戒されるなか、投資家のリスク回避スタンスが強まっている。米メディアの報道によれば、米国では先週、新規感染者数が前週比で13%増加し、今夏のピークに匹敵する水準に達した。また、欧州では感染拡大第2波が猛威をふるい、いくつかの地域で行動規制が再び実施されている。世界経済の回復が遠のくと不安視された。米国の追加経済対策に対する見方が交錯。朝方は「与野党の合意が近い」との観測でNYダウは高く推移する場面がみられたものの、一部メディアが「成立の見通しは薄い」と報じるなか、一転、売りが加速した。
 なお、マーケット引け後、野党・民主党ペロシ下院議長の報道官は自身のツイッターに「議長とムニューシン財務長官の電話会談では、意見の相違が縮まった」と投稿。追加経済対策の期待が再び持ち上がり、時間外取引のNYダウ先物は日本時間20日朝方、小高く推移している。
 一方、19日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が0.7%安と反落。材料の出尽くし感が広がった。中国経済指標の発表後に指数は小高く推移したが、前引けにかけてマイナスに転じている。取引時間中に公表された中国の7〜9月GDP成長率は4.9%という結果。予想(5.5%)には届かなかったものの、前四半期(3.2%)からは大幅に加速した。また、9月の月次統計では小売売上高や鉱工業生産などが予想以上に前月から上向いている。中国経済の持ち直しが意識された。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。好悪材料が入り混じっている。欧米で新型コロナ感染が再拡大していることはマイナス材料となるものの、中国の政策期待は根強い。中国では今月26日、重要会議の第19期中央委員会・第5回全体会議(5中全会)がスタートし、第14次5カ年計画(2021〜25年)が策定される予定だ。また、今週後半から本格化する主要企業の第3四半期決算に関し、前期から改善するとの観測が流れていることもプラス材料となろう。
 なお本日は、中国人民銀行(中央銀行)が事実上の貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」を発表する(月に一度、原則20日に公表)。9月まで5カ月連続で据え置かれている。今回に関しても据え置きが濃厚だ。



内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース