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2018/08/02 08:41

上値の重い展開か、米中貿易戦争に警戒感 無料記事

◆2日の香港マーケットは、米中貿易戦争の警戒感で上値の重い展開か。
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.3%安と反落した(ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.5%高と続伸)。米中貿易戦争の警戒感が再燃する。トランプ米政権が2000億米ドル相当の中国製品に追加輸入関税を課す計画について、「追加関税率を当初予定の10%から25%に引き上げる検討に入った」と報じられた。複数の政府高官が1日、トランプ米大統領は米通商代表部(USTR)に対し、税率引き上げの準備を進めるよう指示したことを明らかにしている。一部メディアが先行報道したことを認めた格好だ。ただ、米当局者は「中国との通商交渉を再開する準備はできている」とも語っている。なお、この日まで開かれていた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り政策金利の据え置きを決定。相場に与える影響は限定的だった。一方、米企業業績の好調はプラス。前日引け後に予想を上回る決算を公表したアップル株が上昇し、他のITハイテク関連にも買いが波及した。
 中国国内にも不安材料がある。なかでも、不動産引き締めの動きがネガティブだ。中国共産党は7月31日の中央政治局会議で、「不動産価格の上昇を断固として阻止する」とし、引き締め政策を堅持する姿勢を鮮明にした。また、深セン市政府は7月31日、住宅の転売を3年間禁止するなど新たな不動産引き締め策を発表。即日で実施している。こうしたなか、1日の本土株市場では、不動産銘柄が主導し、主要指標の上海総合指数が1.8%安と急反落している。前述の政治局会議で、「経済の安定成長を維持する方針」が決定されたことを手がかりに指数は小高くスタートしたものの、買いの勢いは続かなかった。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。中国当局が積極財政シフトを鮮明化するなど、景気重視のスタンスを強めていることは好材料だが、米中貿易戦争の警戒感が引き続きマイナス材料として意識されそうだ。
 本土マーケットも神経質な値動きか。前日に続き、不動産引き締めの動きが懸念されそうだ。人民元相場が依然として、約1年1カ月ぶりの安値水準で推移していることも気がかり材料となろう。


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