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2021/01/29 09:07

買い先行か、中国指標の発表控え上値は限定も 無料記事

◆29日の香港マーケットは、米株高をきっかけに自律反発狙いで買い先行しそうだが、中国の指標発表控え上値も限定的か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定しつつある。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.0%高と6日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5%高と3日ぶりにそれぞれ反発した。27日の下げ幅が今年最大を記録する中、自律反発狙いの買いが先行する。前日の売り材料となっていた個人投資家の投機的売買に関し、制限する動きが広がったことも買い安心感につながった。複数のネット証券が28日までに、投機的売買で市場に混乱を与えていた一部銘柄の取引を制限。米証券取引委員会(SEC)は「マーケットでみられる乱高下を監視している」との声明を出した。指標改善もプラス。米労働省が28日発表した新規失業保険申請件数(週間)は、前週から予想以上に縮小した。
 一方、中国国内の環境には不安材料がある。当局が不動産や株式などの資産バブルを警戒し、引き締めスタンスを強化していることがマイナスだ。中国人民銀行(中央銀行)が28日に実施した公開市場操作(レポ)では、リバースレポ取引により1000億人民元の資金を市中に供給したものの、満期到来分との差引では1500億人民元の吸収超だった。オペによる資金引き揚げは4日連続。なかでも28日は、吸収規模は昨年10月以来の大きさとなった。人民銀・貨幣政策委員の馬駿氏は先ごろ、「不動産や株式など一部分野でバブルが生じつつある」とコメントしている。また、中国の各地域では、不動産引き締めの動きが広がっている状況だ。
 こうした中、本日の本土・香港マーケットは全体としてしっかりとした展開か。中国の引き締め懸念はくすぶるものの、前日の下げが大きかっただけに(上海総合指数は1.9%安、ハンセン指数は2.6%安)、自律反発狙いの買いが先行しそうだ。ただ、今年1月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)の公表を週末(31日)に控える中、上値を買い進む動きは限定的となろう。


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