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2018/07/31 08:37

神経質な値動きか、米IT株安が重しに 無料記事

◆31日の香港マーケットは、米IT株安が相場の重しとなる流れか。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.6%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.4%安と大幅に3日続落した。主力IT株が下げ止まらず、投資家心理が悪化。四半期決算発表を受け、先行きの成長鈍化が警戒されたネットフリックスやフェイスブックが続落し、アマゾン・ドット・コムやアルファベット(グーグル)などこれまで相場をリードしていた銘柄群も軒並み下落している。
 中国国内の環境も不透明。週明け30日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.2%安と4日続落している。米中貿易戦争の警戒感が依然としてくすぶる状況。両国の貿易摩擦を巡り、通商交渉に進展がみられないことが投資家心理の重しとなった。人民元安の進行も逆風。中国人民銀行(中央銀行)はこの日、人民元レートの対米ドル基準値を2日連続で元安方向に設定した。上海外国為替市場では、人民元相場が約1年1カ月ぶりの元安水準で推移している。ただ、政策期待が持続するなかで、大きく売り込む動きはみられなかった。国務院(内閣に相当)が23日の常務会議で、インフラ建設を推進するスタンスを示したことが改めて材料視され、関連銘柄などは物色されている。
 なお本日は、取引開始前(日本時間10時ごろ)に7月の製造業PMI(国家統計局などが集計・発表)が公表される。直前の市場コンセンサス予想では、前月の51.5から51.3に減速する見込み。結果次第では、波乱要因となる恐れもあるので注意が必要だ。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として神経質な展開となりそうだ。米市場で主力IT株が下げ止まらないことは、香港市場でも引き続きハイテク関連株の重しとなる。また、前述したように中国PMIの発表も不安要素となろう。
 本土マーケットは下値を固める展開か。前日の相場では、政策期待のある銘柄群が物色され、主力の銀行株にも買いが入った。米中貿易戦争の警戒感に関しても、徐々に織り込みつつあると言えよう。下値を拾う動きに期待したい。


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