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2021/03/16 09:02

方向感を欠く展開か、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆16日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前営業日比0.5%高と7日続伸し、4日連続で史上最高値を更新した。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.0%高と反発している。米景気の回復期待が一段と強まった。今年3月のNY連銀製造業景況指数が17.4となり、前月の12.1から予想(15.0)以上に上向いている。また、新型コロナウイルス流行を受けた1兆9000億米ドル規模の追加経済対策法が成立し、最大で1人当たり1400米ドル(約15万円)の現金給付が始まったことも材料視された。消費活動の活発化が連想されている。投資家のリスク選好スタンスが高まる中、米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は、前日比で3.19%安の20.03ポイントと低下傾向が持続。一時、節目の20ポイントを下回った。
 一方、内部的には好材料と悪材料が入り混じる状況。中国景気の持ち直しが意識されていることはプラス材料だ。15日公表された1〜2月の経済統計では、小売売上高が前年同期比33.8%増、鉱工業生産額が35.1%増に達し、そろって市場予想を上回った。マイナス材料としては、当局はフィンテックとプラットフォーマーの監督強化を進める――との見方が依然としてくすぶっていることが挙げられる。米メディアは15日、「中国政府は電子商取引(Eコマース)大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)に対し、メディア関連資産を売却するよう要求した」と報じた。先週には、中国金融サービス大手のアント・グループに続き、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)がフィンテック規制の次期ターゲットになる――との観測が浮上している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。景気敏感株が買われ、ハイテク株が売られる「二極化」の動きが強まろう。ハイテク関連に関しては、米政府が中国に対し、依然として圧力をかけていることも不安材料としてくすぶっている。


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