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2021/08/20 09:08

下値固めの展開か、中国の経済対策に期待感 無料記事

◆20日の香港マーケットは、中国の経済対策期待を支えに下値を固める展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には不透明感が漂う。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.2%安と3日続落した。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.1%高と4日ぶりに反発したものの、買い進む動きはみられていない。テーパリング(量的緩和の縮小)開始が早まるとの警戒感が引き続き相場の重しとなった。前日公開された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月開催分)では、多くのメンバーが「資産購入ペースの縮小を年内に始めることが適切」との判断を示していたことが判明している。また、足もとの景気減速も懸念。ゴールドマン・サックスは最新リポートで、第3四半期の米成長率見通しを9.0%→5.5%に下方修正した。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は、前日比0.46%高の21.67ポイントとなり、高止まりしている。なお、この日発表された指標はまちまちの内容。米労働省が報告した新規失業保険申請件数(週間)は、4週続けて前の週から減少し、約1年5カ月ぶりの水準に落ち着いた。他方、8月のフィラデルフィア連銀業況指数は予想を下回り、昨年12月以来の水準に低迷している。
 一方、中国国内には好悪材料が混在する状況。まず、資金流出の不安が高まったことはマイナスだ。対米ドルの人民元相場が約3週ぶりの元安水準になったことに加え、本土・香港間の相互取引スキームを通じた19日の売買では、香港経由の本土株取引が大幅な売り越しとなっている。他方、経済対策に対する期待感は持続。「中国人民銀行は10〜12月にかけて預金準備率を再び引き下げる」との見方が一部で広がっている。産業支援の動きにも期待。中国政府は19日、国有大手企業96社に対し、EV(電気自動車)など新エネルギー車や新素材などハイテク4分野の開発促進を指示したと発表した。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは下値固めの展開となろう。内外に不安材料はあるものの、中国の経済対策に対する期待感は根強い。また、昨日の香港市場では、ネット株などで構成されるハンセン科技指数が2.9%安と反落し、2020年7月27日の公表開始以来の安値を更新。自律反発狙いの買いも期待できそうだ。業績動向に着目した物色もあろう。香港・中国では主要企業の中間決算報告が本格化している。本日は華潤電力HD(836/HK)、国薬HD(1099/HK)、華潤燃気HD(1193/HK)、中国人民保険集団(1339/HK)、新疆金風科技(2208/HK)、中国人民財産保険(2328/HK)、洛陽欒川モリブデン集団(3993/HK)などが中間決算を発表する予定だ。


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