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2021/07/21 08:50

買い先行か、米株高が追い風に 無料記事

◆21日の香港マーケットは、米株高をきっかけに買い戻しが入る展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は落ち着きつつある。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.6%高と3日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%高と6日ぶりにそれぞれ反発した。新規の買い手がかりには欠けたものの、前日のNYダウが今年最大の下落率を記録したこともあり、戻り期待の買いが入っている。これから本格化する主要企業の4〜6月期決算は大幅改善が見込まれており、「足もとの下落は行き過ぎ」との見方も一部で広がった。米金利安が一服したことも、過度な景気懸念を後退させている。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は、前日比12.31%安の19.73ポイントに急低下し、再び20ポイントの節目を下回った。
 一方、中国国内では、「当局は景気回復の腰折れを回避するため、緩和スタンスを強める」との期待が根強い。中国人民銀行(中央銀行)が前日公表した事実上の貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、予想通り15カ月連続で据え置かれたが、市場では「預金準備率の再引き下げを含む追加の緩和策が打ち出される」との観測も流れている。
 他方、欧米各国との関係悪化は依然として懸念される状況。中国外交部の趙立堅・副報道局長は20日の記者会見で、米国や欧州など西側諸国が中国のサイバー攻撃を一斉に非難したことについて、「事実をまげて政治的に中傷しているにすぎない」と述べ、「中国に制裁を加えるようなことがあれば、相応の報復を行う」と強調した。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。欧米各国などとの関係悪化懸念はくすぶるものの、昨夜の米株高をきっかけに、ひとまず買い戻しが先行しそうだ。また、前日の売り材料になった商品市況の下落が止まったことも買い安心感につながろう。昨夜のWTI原油先物は1.5%高と反発し、ロンドン金属市場(LME)では、アルミや銅など主要商品が軒並み上昇した。


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