◆10日の香港マーケットは、米ハイテク株高を追い風に底堅く推移か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は良好。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.9％高と3日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も2.1％高と続伸した。経済活動の正常化期待が投資家心理を上向かせている。米ジョンズ・ホプキンス大学の最新集計によれば、米国の新型コロナウイルス感染者数は7日移動平均で1月中旬のピークから3分の1以下となった。ニューヨーク州がマスク着用義務を一部で撤廃するなど、このところ各州で制限措置が緩和されつつある。またスウェーデンなど感染再拡大が先行した国では、コロナ規制がほぼ全面解除された。米10年債利回りの上昇一服もプラス。株価の割高感が薄れると期待され、ハイテクなど高PER（株価収益率）のグロース（成長）株に買いが広がった。決算失望で売られていたメタ（旧フェイスブック）も5.4％高と急反発している。米株市場の不安心理を表すVIX（20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」）は19.96となり、前日比で6.90％下落。節目の20を下回った。
　一方、内部的には目立った変化がない。依然として、好材料と悪材料が拮抗している。中国経済対策の期待感が高まっていることはプラスとなる半面、新型コロナ感染再拡大による行動規制の強化はマイナスだ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅い展開か。中国国内に新規材料が乏しい中、米国のハイテク株高が材料視されそうだ。


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