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2021/12/23 09:09

上値の重い展開か、内部環境に不透明感 無料記事

◆23日の香港マーケットは、米株高好感も中国国内の不安材料で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.7%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.2%高とそろって続伸した。機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は1.0%上昇し、今年11月22日に付けた史上最高値に接近している。好材料が相次ぎ、投資家のリスク選好が高まった。米食品医薬品局(FDA)は22日、ファイザーが開発した新型コロナウイルス感染症の経口治療薬を緊急承認。飲み薬のため点滴より扱いが容易で、感染力の強いオミクロン型にも有効と伝わった。景気懸念も後退。12月の米消費者信頼感指数は予想以上に上昇し、前月分は上方修正された。株式市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は18.63となり、前日比で11.33%低下。節目の20を再び下回った。
 一方、中国国内では新規の買い材料が乏しい。追加利下げの見通しや、不動産引き締め緩和の期待などは続いているものの、一段の好材料は見受けられない。他方、国内のコロナ感染拡大は不安材料だ。感染者が集中した中国北西部の陝西省西安市で22日、1300万人余りの市民に対し、外出制限が要請されている。
 ネット企業に対する締め付け不安もくすぶる状況。工業和信息化部(工業情報化部)は22日、サイバーセキュリティー上の問題を迅速に報じなかったとして、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)のクラウド・コンピューティング部門「阿里雲(アリババ・クラウド)」との提携を6カ月間停止すると発表した。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。昨夜の米株高は支えとなるものの、中国国内の不安材料が相場の足かせとなりそうだ。また、米市場でアリババのADRが4.2%安と急落したこともマイナス材料となろう。


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