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2022/01/17 09:09

米中の不安材料で売り先行か、中国GDPにも注目 無料記事

◆週明け17日の香港マーケットは、米中の不安材料で売り先行しそうだ。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には不透明感が漂う。先週末の米株市場は、まちまちの展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.6%安と続落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%高と反発している。主要経済指標の下振れや、大手銀のさえない決算が投資家心理の重しとなった。昨年12月の米小売売上高が予想以上に減少したほか、今年1月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は予想以上に悪化し、過去10年で2番目の低水準となっている。JPモルガン・チェースの10〜12月期決算では、貸倒引当金の取り崩しなどで1株利益が予想を上回ったものの、トレーディング収入は予想以上に落ち込んだ。同社株は6%超下落している。
 一方、内部的には、新型コロナウイルス感染再拡大がネガティブ。北京市当局は15日、変異ウイルス(オミクロン)の感染者を同市で初めて1人確認したことを明らかにした。北京冬季五輪の開催を来月に控える中、「ゼロコロナ」政策を掲げる中国では、感染集中した地区で厳格な行動規制を実施している。社会活動の停滞で実体経済が落ち込むと危惧される状況だ。
 なお本日は、取引時間中(日本時間午前11時ごろ)に、中国の重要経済統計がまとめて発表される(昨年12月の小売売上高や鉱工業生産、第4四半期のGDP成長率など)。事前のコンセンサス予想では、それぞれ前回実績を下回る見込みだ。中でも、GDP成長率に関しては、前年同期比3.3%にとどまり、前四半期(7〜9月)の4.9%から減速すると予想されている(21年は1〜3月期が18.3%、4〜6月期が7.9%と減速基調)。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行する流れか。上述したように、米経済指標の悪化と中国のコロナ感染再拡大が投資家のリスク回避スタンスを強めさせそうだ。また、中国経済指標の悪化懸念も不安要素だ。ただ、指標悪化は逆に、当局が景気テコ入れ策を強めるとの期待にもつながるため、動向を注視したい。


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