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2021/09/03 08:44

買い先行か、米株高が追い風に 無料記事

◆3日の香港マーケットは、米株高を追い風に買われる展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.4%高と4日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%高と続伸した。ナスダック指数は連日で史上最高値を更新。また、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は0.3%上昇し、最高値を切り上げている。雇用関係の指標改善で投資家心理が上向いた。米労働省が2日発表した新規失業保険申請件数(週間)は、予想以上に前週から減少。新型コロナウイルス感染が拡大した昨年3月以降、1年5カ月ぶりの低い水準に落ち着いた。前日公表された民間集計の8月ADP全米雇用リポートが予想を下回る内容だっただけに、労働環境は悪化していないと改めて意識されている。米労働省が発表する(日本時間3日午後9時半ごろ)雇用統計に関しても、雇用者数の増加が期待された。
 一方、中国国内では経済対策に対する期待感が持続する状況。官民が公表した8月の中国製造業PMIがそろって市場予想を大幅に下回る中、景気の落ち込みを回避するため、中国当局は財政・金融政策を強める――との思惑が広がっている。市場関係者の間からは、「中国人民銀行は早ければ9月中に預金準備率の追加引き下げや利下げに踏み切る」との声も聞かれた。また、財政部が1日公表したデータにより、8月の地方債発行が加速したことが判明。インフラ投資が進むとの見方も強まっている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。中国の経済対策に対する期待感に加え、昨夜の米株高が好感されそうだ。ただ、指数はこのところの上昇ピッチが速いこともあり、上値では売り圧力が意識される場面もあろう。また、米金融政策に大きく影響する米雇用統計の発表を前に、積極的な売買が手控えられる可能性もある。




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