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2021/12/21 08:51

神経質な値動きか、コロナ感染拡大を不安視 無料記事

◆21日の香港マーケットは、コロナ感染拡大を不安視し神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウとハイテク株比率の大きいナスダック指数がそろって前営業日比1.2%安と3日続落した。新型コロナウイルス感染拡大による行動制限の強化で、経済成長が鈍化すると懸念されている。コロナ変異ウイルス(オミクロン)感染は欧米などで急拡大し、オランダでは19日、ロックダウン(都市封鎖)が始まった。クリスマス・年末の休暇シーズンを控える中、欧州各国や米国でも行動規制が強化されるとの見方が広がっている。また、米国の大型経済政策に対する期待感が後退したこともマイナス。与党・民主党のマンチン上院議員は19日、バイデン政権の目玉政策となる2兆米ドル規模の税制・支出法案を支持しない考えを示した。米上院は与野党勢力が拮抗していることもあり、同法案の可決見通しは遠のいている。
 中国国内の環境も不透明。中国人民銀行(中央銀行)は20日朝方、銀行貸し出しの指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」の1年物を20カ月ぶりに引き下げた(3.85→3.80%)ものの、市場で好感する買いは限定された。市場関係者の間からは、5年物のLPRは据え置きだったことに加え、利下げ幅が前回よりも小さかったため、経済押し上げ効果は薄いとの声も聞かれている。新型コロナウイルス感染が広がっていることも不安材料だ。国家衛生健康委員会の最新データによれば、20日に報告を受けた19日の新規感染は102人に上り、18日の83人からさらに拡大した。北京冬季五輪の開催を来年2月に控え、当局は北京市など一部都市で厳しい移動制限を発令している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。上述したように、世界的なコロナ感染拡大が投資家心理の重しとなりそうだ。また、原油安(昨夜のWTI原油先物は3.7%安と続落)も関連銘柄にとっての逆風となろう。ただ、このところの急ピッチな下落を受け、自立反発狙いの買いが入ることには期待したい。昨日のマーケットでは、ハンセン指数が連日で年初来安値を更新し、昨年3月以来、約1年9カ月ぶりの安値水準を付けている。


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