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2021/08/17 08:59

上値の重い展開か、景気鈍化を警戒 無料記事

◆17日の香港マーケットは、景気鈍化の警戒感がくすぶる中で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には好材料と悪材料が混在している。まず、景況感の悪化はマイナスだ。この日公表された経済指標では、8月のNY連銀製造業景況指数が予想以上に前月から低下。また、先週発表された同月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は約10年ぶりの低水準に落ち込んでいる。新型コロナウイルス感染拡大が続いていることもあり、米景気の先行き不安が高まる状況だ。半面、マーケットへの資金流入期待は強まっている。市場関係者からは、コロナ自粛を背景とした緩和マネーの滞留で、「金余り」の状態が続いていると指摘された。こうした中、昨夜の米株市場では、景気動向に左右されにくいディフェンシブな医薬品株などが買われ、主要指標のNYダウは前営業日比0.3%高、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も0.3%高とそろって5日続伸。連日で史上最高値を更新している。ただ、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.2%安と3日ぶりに反落した。
 一方、中国本土では、当局の景気テコ入れ策が期待されている。国営テレビは16日、「国務院(内閣に相当)は雇用情勢を支援するため、財政・金融政策を強化する方針を示した」と報じた。また、中国人民銀行(中央銀行)は16日、中期貸出制度(MLF)を通じ、6000億人民元の資金を市中に供給。供給規模は市場関係者の予想を上回った。昨日公表された中国の7月経済統計では、小売売上高や鉱工業生産などの増加率が予想以上に前月実績から鈍化。景気腰折れを回避するため、当局は経済対策を強める――との見方も広がっている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の経済対策に対する期待感はあるものの、世界的な景気鈍化の不安も根強い。目先は業績動向に着目した物色となろう。香港・中国では主要企業の中間決算報告が本格化。今朝方までに公表された各社の中間決算では、AIAグループ(1299/HK)が48%増益、舜宇光学科技(サニー・オプティカル・テクノロジー:2382/HK)が54%増益、閲文集団(チャイナ・リテラチュア:772/HK)が黒字転換などとなっている。


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