◆5日の香港マーケットは、米株高を追い風にしっかりとした展開か。
　外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比4.5％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が3.9％高と急反発した。投資家心理が改善。米大統領選の野党・民主党候補者争いでは、マーケットにネガティブだとみられるサンダース氏を下し、バイデン氏が首位に躍り出た。サンダース氏の公約が不利に働く医薬品や医療保険株が急伸している。また、米景気指標の上振れも相場上昇を後押し。今年2月のADP全米雇用リポートで、（政府部門を除く）非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に上回り、15年5月以来の伸びとなったことが明らかにされている。米サプライマネジメント協会（ISM）が発表した同月の非製造業景況感指数（PMI）は予想を上回り、1年ぶりの高水準に達した。
　一方、4日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.6％高と3日続伸。経済政策に対する期待感が持続している。1〜2月に地方政府が発行した債券総額は、総額で1兆2230億人民元規模に達し、前年同期比で7割増加した。各種のインフラプロジェクトが進ちょくするとみられている。金融緩和の思惑も高まった。米連邦準備理事会（FRB）による緊急利下げを受け、中国でも近く利下げが実施されるとの観測が流れている。中国国営メディア（電子版）は4日、利下げを示唆する社説を掲載した。
　こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。中国の緩和期待に加え、昨夜の米株が急反発したことを好感しよう。また、人民元高の動きもプラス。昨夜の外国為替市場（オフショア人民元）では、人民元の対米ドル相場が一時、約1カ月半ぶりの元高水準に達している。


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