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2021/10/21 08:59

上値の重い展開か、インフレ高進を警戒 無料記事

◆21日の香港マーケットは、インフレ懸念で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は良好。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.4%高と続伸した。取引時間中に、史上最高値を更新する場面もみられている。好業績銘柄を物色する動きが続き、相場を支えた。決算発表シーズンに入った米国では、市場予想を上回る四半期業績を報告する企業が相次いでいる。この日は、1株利益が上振れた通信のベライゾンが上昇したほか、前日までに好決算を明らかにした医薬品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソンや保険のトラベラーズなどに買いが継続した。ただ、10年債利回りが高止まりしていることは重し。金利高が逆風となるハイテク株など高PER(株価収益率)のグロース(成長)株は売られている。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.05%安と6日ぶりに反落した。
 一方、中国国内では好悪材料が交錯している。まず、中国人民銀行(中央銀行)の資金供給はプラスだ。人民銀は20日、リバースレポ取引を通じ、満期到来分との差引で900億人民元の資金を市場に供給した。他方、資源価格統制の動きはマイナス。国家発展改革委員会は19日、石炭の急速な値上がりを受け、価格介入の実施を検討する方針を表明した。これを受け、鄭州商品取引所の発電用石炭(一般炭)先物相場は急落し、20日の本土・香港の株式マーケットでは、石炭株が軒並み大幅下落している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米企業決算の好調や、中国経済対策に対する期待感が強まっていることなど好材料はあるものの、原油上昇を背景にインフレ懸念も改めて意識されそうだ。昨夜のWTI原油先物は5日続伸し、一時、7年ぶりの高値を付けている。
 なお本日は、中国恒大集団(3333/HK)と恒大物業集団(6666/HK)、合生創展集団(754/HK)が取引再開する。中国恒大集団が経営立て直しの一環として進めていた傘下の不動産管理会社、恒大物業集団の株式51%を同業の合生創展集団に売却する計画がとん挫したためだ。株価動向が注目される。


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