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2021/10/27 08:53

神経質な値動きか、決算発表本格化で選別物色 無料記事

◆27日の香港マーケットは、中国不動産業を巡る不透明感で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前営業日比0.2%高と3日続伸し、連日で史上最高値を更新している。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.1%高と続伸し、一時、最高値を上回った。また、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は0.2%上昇し、連日で最高値を切り上げている。好決算が相次ぎ、投資家のリスク選好が高まった。主要企業の四半期決算発表が進む中、この日は、宅配大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)や多国籍コングロマリットのゼネラル・エレクトリック(GE)などが業績上振れで買われている。景気先行きも楽観。10月の米消費者信頼感指数は、予想に反し、4カ月ぶりの上昇となった。また、前月分は上方修正されている。
 一方、中国国内の環境は厳しい。不動産業界を巡る警戒感が依然としてくすぶっている。不動産開発会社の当代置業(1107/HK)は26日、25日に期限を迎えた米ドル建て社債の元利払いが不能に陥ったと発表。業界ではこのところ、米ドル債の利払い不履行が相次いでいる。また、不動産税(個人向け固定資産税)が一部都市で試験導入されることも懸念材料だ。ただ、金融当局が厚めの資金供給を続けるなど中国経済対策の期待感は続いている。
 なお、香港(中国)では主要企業の四半期決算発表が佳境入りした。本日は香港交易所(388/HK)や中国平安保険(2318/HK)、龍源電力集団(916/HK)、中国広核電力(1816/HK)、百威亜太HD(1876/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、中国国際海運集装箱(2039/HK)、洛陽欒川モリブデン集団(3993/HK)などが報告する予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米株の高値更新や中国の経済対策は支えになりそうだが、中国不動産業を巡る懸念が重しとなりそうだ。目先は、業績動向に着目した選別物色となろう。


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