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2022/01/19 09:01

上値の重い展開か、米金利高が逆風 無料記事

◆19日の香港マーケットは、米金利高を嫌気し上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。昨夜の米市場は、主要指標のNYダウが前営業日比1.5%安と大幅に3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.6%安と急反落している。金融引き締め懸念が投資家心理を冷やした。WTI原油先物が一時7年ぶりの高値を付けるなど、インフレ高進の懸念が高まり、「3月の利上げ幅は0.5%になる(従来予想は0.25%)」との見方が市場に広がっている。米10年債利回りが2年ぶりの高い水準に上昇する中、株価の割高感が意識されたハイテク株など高PER(株価収益率)のグロース(成長)株が急落した。米金融大手のさえない決算も重し。米ゴールドマン・サックスが報告した第4四半期決算は、利益が13%減少し、市場予想にもとどかなかった。同社株は7%安と急落し、他の金融株にも売りが波及している。
 中国企業に対する米国の圧力も警戒。外電は18日、「バイデン政権が阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)のクラウド事業について、安全保障上の脅威になるかどうか調査している」と報じた。アリババのADRは昨夜の米市場で2.3%安と売られている。
 一方、内部的には金融緩和期待が高まる状況。あす20日に公表される銀行貸し出しの指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」について、多数の市場関係者は再引き下げが濃厚と指摘している。また、中国人民銀行(中央銀行)の副総裁は、「預金準備率の調整余地はまだある」と発言した。中国国債の利回りは低下基調が続き、18日には10年債利回りが約1年7カ月ぶりの水準に低下している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開となろう。中国金利の低下は好材料となるものの、米金利高は金融政策で米国に追随する香港にとって逆風だ。中国の新型コロナウイルス感染再拡大もマイナス材料。行動抑制策の強化で、実体経済に対する影響も危惧されている。そのほか、上述したアリババの株価動向にも注意したい。急落した場合、他のネット株にも影響が及ぶ恐れもある。


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