◆8日の香港マーケットは、内外の好材料で続伸しそうだ。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.4％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が3.0％高とそろって続伸した。投資家のリスク選好が高まっている。バイデン米政権の首席医療顧問を務める米国立アレルギー感染症研究所（NIAID）のファウチ所長は7日、新型コロナ変異ウイルス「オミクロン」に関し、感染力は強いものの「従来型と比較し重症化しにくい可能性がある」と説明した。経済活動停滞の過度な警戒感が薄らいでいる。景気敏感株のほか、ハイテク株が急伸。フィラデルフィア半導体株指数（SOX）は5.0％上昇し、史上最高値を更新した。また、株式市場の不安心理を表すVIX（20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」）は21.89となり、前日比で19.46％低下。節目の20ポイントは上回っているが、前週の30ポイントを超える水準からは大幅に下げている。
　中国国内の環境も良好。中国政府は国内景気の減速に対処するため、経済対策を強化している。中国人民銀行（中央銀行）は6日、市中銀行の預金準備率を15日から0.5％引き下げると発表した。また、2022年の経済政策などを議論した6日の共産党中央政治局会議では、不動産規制の緩和修正方針が示されている。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開となろう。上述したように、中国経済対策と米ハイテク株高が相場の支えだ。ただ、米中対立の警戒感が依然としてくすぶっていることや、流動性危機に直面する中国恒大集団（3333/HK）の動向には注意したい。7日に期限を迎えた中国恒大の社債利払いについて、「複数の投資家が支払いを受けていない」と報じられた。


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