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2022/02/11 09:00

売り先行か、米金融引き締め加速を警戒 無料記事

◆11日の香港マーケットは、米金融引き締めの加速を警戒し売られる展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。インフレ高進を背景に、米金融当局は引き締めを急ぐとの見方が一段と高まっている。1月の米消費者物価指数(CPI)は7.5%上昇と予想以上に加速し、伸び率はおよそ40年ぶりの大きさとなった。米10年債利回りは節目の2%を突破している。セントルイス連銀のブラード総裁は10日、「7月1日までに合計1.0%の利上げ実施を支持する」と米メディアのインタビューに答えた。米連邦準備理事会(FRB)が3月に0.5%利上げする確率は、これまでの24%→93%に跳ねあがっている。米国株も急落。主要指標のNYダウは前日比1.5%安と4日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は2.1%安と3日ぶりにそれぞれ反落した。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は23.91となり、前日比で19.79%上昇。節目の20を再び上回った。
 一方、内部的には経済対策の期待感が高まる状況。国内経済の成長鈍化が危ぐされる中、当局は景気テコ入れに向けて金融・財政政策を強めるとの見方が広がっている。各種インフラプロジェクトが前倒しで着工されているほか、新規融資も急増。中国人民銀行(中央銀行)が10日に発表した今年1月の金融統計では、国内金融機関の新規融資が前月実績から大幅に増加し、過去最高を記録した。マネーサプライ(通貨供給量)M2の伸び率も予想以上に拡大している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。中国経済対策の期待感は支えとなりそうだが、米国の金融引き締め加速が投資家心理の重しとなろう。金利上昇圧力が香港・本土でも高まると不安視されそうだ。


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