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2021/08/03 08:57

方向感を欠く展開か、景気回復遅れと経済対策強化が綱引きに 無料記事

◆3日の香港マーケットは、景気回復遅れと経済対策強化が綱引きとなり、全体として方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前営業日比0.3%安と続落した。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.1%高と反発したが上値は限定され、安く推移する場面もみられている。業況改善ペースの鈍化が嫌気された。米サプライマネジメント協会(ISM)が2日報告した7月の非製造業景況感指数(PMI)は59.5となり、2カ月連続で前月から低下。市場予想(60.9)も下回る中、米10年債利回りも急低下している。米国で、新型コロナウイルス変異種(デルタ型)の感染拡大が続いていることも不安材料となった。ただ、大型インフラ投資計画に対する期待感は大きく、下値を叩くような売りはみられない。
 一方、中国国内では景気テコ入れ期待が高まる状況。官民で公表された7月の製造業PMIがそれぞれ予想以上に前月実績を下回る中、「当局は景気回復の腰折れを回避するため、経済対策を強化する」との見方が広がっている。また、7月30日に開かれた共産党中央政治局会議では、インフラ投資を加速させ、財政政策の効果を高める方針などが確認された。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは好悪材料が入り混じる中で方向感を欠く展開か。経済回復ペース鈍化の警戒感がくすぶる半面、当局が景気対策を強化するとの期待も強まっている。また、業績動向を見極めたいとするスタンスも積極的な売買を手控えさせよう。香港・中国では、主要企業の中間決算報告が今週から本格化しつつある。

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