◆9日の香港マーケットは、中国経済対策と米株高を支えにしっかりとした展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は安定的と言える。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.1％高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.3％高と反発した。主力企業に好決算が相次ぎ、投資家に買い安心感が広がっている。ハイテク大手の決算が総じて上振れたことに続き、バイオ製薬アムジェンの四半期決算も1株利益が予想を上回った。売上高見通しも好調で、自社株買いも公表している。
　経済活動正常化の期待も高まった。新型コロナウイルスの感染者数は足もとで減少しつつあり、ニュージャージー州など3つの州は、学校でのマスク着用義務を数週間内に解除すると発表している。景気敏感株が堅調に推移した。米10年債利回りの上昇は続いたものの、それほど悪材料視されず。むしろ、プラス面がクローズアップされ、利ざや改善が見込まれる銀行株が軒並み買われた。
　一方、内部的には経済対策の期待感が高まる状況。中国人民銀行（中央銀行）は8日、保障性賃貸住宅（中低所得者向け住宅）向け融資に関し、「制限する対象に含まない」とする声明を発表した。人民銀は昨年1月、不動産デベロッパー向け融資を一定水準まで減らすよう市中銀行に指示していたが、緩和に舵を切った格好だ。ただ、新型コロナ感染再拡大の不安はくすぶる。香港政府は8日、行動規制の強化を打ち出した。中国本土では、一部地域でロックダウン（都市封鎖）が続いている。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。新型コロナ感染再拡大の影響は懸念されるものの、昨夜の米株高や中国経済対策の期待感が相場を支えよう。


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