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2021/10/05 08:54

売り先行か、内外環境が不透明 無料記事

◆5日の香港マーケットは、内外環境の不透明感で売られる展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前営業日比0.9%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.1%安とそろって反落した。インフレ高進の不安が再燃。WTI原油先物は1.7%高と大幅に3日続伸し、一時、約7年ぶりの高値を付けた。また、米10年債利回りも急上昇。金利高が逆風となるハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株に売りが広がった。個別ではフェイスブックが4.9%安。元社員が実名で、「同社は偽情報対策などで自社に不都合な事実を隠ぺいしていた」と告発し、当局の規制強化が懸念された。
 米中関係を巡る警戒感も浮上。米通商代表部(USTR)のタイ代表は4日、米中通商協議の「第1段階の合意」を中国が順守するよう促すため、近日中に中国の劉鶴・副首相と協議することを明らかにした。
 一方、内部的には、デフォルト(債務不履行)リスクに直面する中国恒大集団(3333/HK)の動向が気がかりだ。同社と傘下で不動産管理事業を手がける恒大物業集団(6666/HK)は4日、香港市場で株式取引が一時停止されている。中国メディアは消息筋情報として、「不動産デベロッパーの合生創展集団(754/HK)が恒大物業集団株51%前後を取得する見通し」と伝えた。また、電力不足を背景とした中国経済の鈍化懸念もくすぶっている。
 なお、国慶節の大型連休により、本土マーケットは先週1日〜今週7日までが休場となる。
 こうした中、本日の香港マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。昨夜の米株安が嫌気されるほか、中国経済の鈍化懸念が引き続き投資家のリスク回避スタンスを強めさせそうだ。ただ、前日の急落の反動で、自律反発狙いの買いが入ることには期待したい。前日の取引では、主要指標のハンセン指数が2.2%安と急落し、昨年10月以来の安値を付けている。


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