/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2021/12/17 08:51

売り先行か、米国の対中圧力を不安視 無料記事

◆17日の香港マーケットは、米国の対中圧力を懸念した売りが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.1%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.5%安とそろって反落した。インフレリスクと金融引き締めが改めて意識される。英国の中央銀行(イングランド銀行)は16日、新型コロナウイルス感染拡大以降、主要中銀で初の利上げに踏み切った。英中銀は物価上昇率について、来年4月には、目標の3倍水準に達するとの見通しを示している。15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、テーパリング(量的緩和の縮小)の加速を予想通り決定。アク抜けしたとの見方があったものの、新規の買い材料にも乏しく、ハイテク株を中心に売りが優勢となった。個別ではソフトウエアのアドビが一時10%安。第1四半期決算は上振れたものの、通期の売り上げ見通しが予想を下回ったことを嫌気した。
 米国の対中圧力も強まる。バイデン米政権は16日、中国の少数民族ウイグル人への弾圧、または中国軍を支援しているとして、中国の42企業・団体に対する投資や輸出を制限する制裁措置を科すと発表した。
 一方、中国国内では経済対策の期待感が高まる状況。政府が製造業などに対する支援を強化しているほか、来週20日に公表される銀行貸し出しの指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関し、20カ月ぶりの引き下げ観測も浮上している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは売り先行しそうだ。米国の対中圧力が増す中、サプライチェーンの混乱が懸念されている。米ハイテク株安も重しとなろう。ただ、中国経済対策の期待感は根強く、下値では政策で恩恵を受ける銘柄群を物色動きも期待できそうだ。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース