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2021/11/10 09:05

上値の重い展開か、米中関係悪化を懸念 無料記事

◆10日の香港マーケットは、米中関係の悪化懸念で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.3%安で3日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.6%安で12日ぶりにそれぞれ反落した。好材料の出尽くし感が意識される中、このところの連騰をけん引していた景気敏感株などに売りが出ている。このところ好調な企業決算や雇用指標の改善、大規模インフラ投資の期待感など好材料が相次ぎ、指数は前日まで連日で史上最高値を更新していた。また、米10年債利回りが急低下。利ザヤ縮小懸念で、金融株も下げが目立った。
 米中関係の悪化懸念もくすぶる。米議員団を乗せたアメリカ軍機が9日夜、台北の松山空港に到着したことに対し、中国側は猛反発している。台湾国防部はその後、中国の戦闘機や対潜哨戒機、計6機が台湾の防空識別圏に侵入したと発表。台湾海峡を管轄する中国軍東部線区は同日、「戦闘準備のパトロール」を行ったと声明した。バイデン米政権は台湾支援のスタンスを強めている。
 一方、中国では本日朝方(日本時間10時半ごろ)、10月の物価指標が公表される予定。最新の市場コンセンサス予想では、消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の上昇率が前月から加速する見込みだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。経済活動正常化の期待が高まっていることなどはプラスとなるものの、米中関係の悪化懸念が相場の足かせとなりそうだ。また、北京市で11日まで、中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が開かれていることも気がかり。政策動向を見極めたいとするスタンスが高まれば、買い手控え要因となる。
なお、本日引け後、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が第3四半期決算を報告する。業績動向にも注目だ。


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