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2021/12/29 08:55

上値の重い展開か、中国のコロナ感染拡大を不安視 無料記事

◆29日の香港マーケットは、中国内のコロナ感染拡大を警戒し上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は中立と言える。昨夜の米株市場は、全体としてまちまちの展開。主要指標のNYダウが前日比0.3%高と5日続伸する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%安と5日ぶりに反落した。新型コロナウイルス感染拡大に対する過度な警戒感が薄らぎ、景気敏感株などは買われたものの、このところ上げが目立っていたハイテク株は売りに押されている。米国などで感染が拡大するコロナ変異ウイルス(オミクロン)に関しては、重症化や入院のリスクが低いとの調査報告が相次いでいる状況だ。そうした中で、米疾病対策センター(CDC)は27日、コロナ感染者の隔離期間をこれまでの10日間から5日間に短縮すると発表した。
 一方、中国国内の環境は好悪材料が入り混じる状況。中国経済対策の期待感が高まっていることはプラスだ。中国人民銀行(中央銀行)は28日、リバースレポ取引を通じ、満期到来分との差引で資金1900億人民元を市場供給。供給規模は10月下旬以来の大きさとなり、中国の短期金利も急低下した。また、人民銀は27日夜、マクロ経済を安定させるため金融政策を積極導入するとの声明を発表している。他方、国内で新型コロナ感染の拡大に歯止めがかからないことはマイナスだ。事実上のロックダウン(都市封鎖)が始まっている陝西省西安市では、新規感染者の増加が止まらず、当局は規制を強化。同市には自動車産業が集積しており、サプライチェーンの分断も危惧されている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国経済対策に対する期待感は支えとなるが、中国の新型コロナ感染拡大が投資家のリスク回避スタンスを強めさせよう。北京冬季五輪の開催を来年2月に控える中国では、「ゼロコロナ」政策が続いている。行動制限の強化が不安視される状況だ。


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