◆週明け6日の香港マーケットは、新型コロナ感染拡大を不安視し軟調な展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はややネガティブ。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.2％安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.9％安とそろって反落した。ナスダック指数は約1カ月半ぶりの安値水準に落ち込んでいる。新型コロナ変異ウイルス「オミクロン」の警戒感が改めて意識された。感染拡大は、米国のほか世界各国・地域に及んでいる。現時点で感染者に重篤な症状はみられていないものの、各国が入境規制を強める中、世界経済の回復遅れが懸念された。他方、この日公表された経済指標はまちまちの内容。11月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に下回る一方、失業率は低下し、およそ50年ぶりの低さを記録した。また、米サプライマネジメント協会（ISM）が発表した同月の非製造業景況感指数は69.1となり、統計開始以来の高い水準を更新している。指数は一進一退し、不安定な値動きだった。
　一方、中国国内では、経済対策の期待が高まっている。李克強・首相は3日、市中銀行の預金準備率について、「適時に引き下げる」と述べた。また、これに先立つ11月30日、劉鶴・副首相は「来年の中国経済にも、充分な信頼感を抱いている」と強調している。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは軟調な値動きとなりそうだ。中国経済対策の期待感は支えとなりそうだが、新型コロナ感染拡大の警戒感が重しとなろう。また、米中対立の激化懸念がくすぶっていることもマイナスだ。
　なお本日付で、ハンセン指数の構成銘柄に、電子商取引（Eコマース）大手の京東集団（JDドットコム：9618/HK）、オンラインゲーム大手の網易（ネットイース：9999/HK）、政府系の華潤ビールHD（291/HK）、民間ガス供給業者の新奥能源HD（ENNエナジー：2688/HK）の4銘柄が新規に組み入れられる。除外銘柄はなかったため、構成銘柄は60→64に増加する運びだ。


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