/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2021/08/31 08:55

売り先行か、中国の締め付けスタンスを懸念 無料記事

◆31日の香港マーケットは、中国の産業締め付けを懸念し売られる展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はそれほど悪くない。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前営業日比0.2%安と反落したものの、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.9%高と続伸した。ナスダック指数は史上最高値を連日で更新。機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も0.4%上昇し、先週末に続き最高値を切り上げている。米10年債利回りが低下する中、利ザヤ縮小の警戒で金融株が売られる半面、ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株は物色された。先週末のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演を受け、米国の低金利政策はしばらく続く――との見方が広がっている。指標下振れも金利低下を誘った。7月の米中古住宅販売成約指数は、2カ月連続で予想外のマイナスに沈んでいる。
 一方、中国国内の環境はやや不透明。各分野に対する中国の締め付けスタンスが依然としてくすぶっている。中国政府は30日、未成年に対するオンラインゲームの規制強化策を発表した。昨夜の米市場では、網易(ネットイース:9999/HK、NTES/NASDAQ)が一時8.8%安となるなど中国ゲーム企業のADRが軒並み下落している。
 なお中国本土では本日(日本時間午前10時ごろ)、8月の製造業PMI(国家統計局などが集計)が発表される予定。最新のコンセンサス予想では、7月実績からやや低下する見込みだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは売り先行する可能性が高い。上述したように、中国のオンラインゲーム規制が売り材料視されよう。ネット企業に対する監督強化の動きは一巡したとみられていただけに、投資家の不安が強まりそうだ。ただ、米金利の低下や中国企業の業績改善などプラス材料も多く、下値を叩くような売りはみられないだろう。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース