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2021/11/05 09:06

上値の重い展開か、内部環境に不透明感 無料記事

◆5日の香港マーケットは、内部環境の不透明感で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はそれほど悪くない。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.1%安と6日ぶりに反落したものの、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.8%高と9日続伸し、連日で史上最高値を更新した。また、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は0.4%上昇し、最高値を連日で切り上げている。金利低下や高値警戒感で、金融株などは売りに押されたものの、ハイテク株など高PER(株価収益率)のグロース(成長)株は買われた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)が前日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で利上げに慎重なスタンスを示したことを受け、債券市場では長期金利は大幅に低下している。雇用環境の改善持続もプラス。米労働省が4日発表した新規失業保険申請件数(週間)は、予想以上に前週から減少した。新型コロナウイルスの感染拡大が本格化した2020年3月中旬以来、1年7カ月ぶりの低水準を記録している。
 一方、中国国内の環境は依然として不透明感がくすぶる状況。中でも、新型コロナウイルス感染拡大により、経済回復ペースが鈍化すると警戒されている。中国当局は4日発表したところによれば、3日に確認された新規感染者は104人。前日に続き100人を超えた。北京冬季オリンピックの開催まで100日を切った中国では、行動抑制も強化されている。
 中国不動産業を巡る警戒感も高まった。深センに拠点を置く佳兆業集団HD(カイサ・グループ:1638/HK)の信用不安が高まっている。子会社が発行した「理財商品」の償還が予定通り行われず、同社オフィスに4日、購入者が殺到し抗議した。不動産各社の10月販売実績は、多くが減少を余儀なくされている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。外部環境の目立った悪材料はないものの、中国国内に懸念材料が重なっている。また、北京市では来週、中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が開かれる予定。内容を見極めたいとするスタンスが強まれば、買い手控え要因となろう。


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