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2020/07/13 09:08

方向感を欠く展開か、中国指標の発表を前に買い手控えも 無料記事

◆週明け13日の香港マーケットは、中国経済指標の発表を前に方向感を欠く展開か。
 外部環境は安定的。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.4%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%高と3日続伸した(ナスダック指数は連日で最高値を更新)。新型コロナウイルス感染再拡大を不安視して弱含む場面が見られたものの、ウイルスを巡る新薬開発の期待が相場を支えている。米ギリアド・サイエンシズは10日、コロナ治療薬「Remdesivir(レムデシビル)」の臨床試験で死亡率が62%低下し、症状の改善も確認できたと報告。また、独バイオベンチャーのバイオNテックは、米ファイザーと提携して開発中のコロナワクチンについて、年内に承認申請する見通しを明らかにした。治療薬やワクチンの上市により、経済活動の正常化が早まると期待されている。他方、米国の1日あたり新規コロナ感染者数は、フロリダ州やテキサス州などで過去最多を更新した。
 一方、10日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が2.0%安と9日ぶり反落。指数は足元で約2年5カ月ぶりの高値水準を連日で切り上げていただけに、売り圧力が意識された。また、2つの政府系基金が保有株を減らすと発表するなか、「当局は足元の急ピッチな上昇に警鐘を鳴らした」との見方も一部で広がった。
 今週はあす14日に6月の貿易統計、16日に同月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)と4〜6月GDP成長率が発表される。注目のGDP成長率に関しては、前期(1〜3月)のマイナス6.8%からプラス2.2%に回復するとの予測が市場のコンセンサスだ。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。先週末の米株高を好感し買い先行しそうだが、上述したように今週は中国で重要経済指標の発表が相次ぐため、積極的な売買が手控えられる可能性もある。また、香港域内で新型コロナ感染が再拡大していることも不安材料として意識される恐れもありそうだ。香港の保健当局は11日、新規の感染者28人を確認したと報告。会見では、「最も深刻な状況」と警戒感を示している。


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