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2022/02/16 09:06

買い先行か、米株高が追い風に 無料記事

◆16日の香港マーケットは、米株の大幅上昇を好感した買いが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は落ち着きつつある。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.2%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.5%高とそろって4日ぶりに反発した。ウクライナを巡る地政学リスクが後退し、投資家のセンチメントが上向いている。ロシア国防相は15日、ウクライナ国境付近に展開していたロシア軍の一部を撤収すると発表。プーチン露大統領は同日、ショルツ独首相とモスクワで会談し、「外交的手段を通じ問題を解決したい」と言明した。ただ、インフレ加速はマイナス材料。米労働省が発表した今年1月の生産者物価指数(PPI)は9.7%上昇となり、予想(9.1%上昇)を大幅に上回っている。8カ月ぶりの大きな伸びとなる中、金融当局が引き締めを急ぐとの懸念が高まった。
 一方、内部的には経済対策の期待感が改めて強まっている。中国人民銀行(中央銀行)は15日、金融政策ツールの「中期流動性ファシリティ(MLF)」を通じ、3000億人民元の資金を市場に供給。今週満期を迎えるMLFは2000億人民元にとどまっているため、差引1000億人民元の供給超となっている。当局は緩和的な金融政策で、景気を下支えする構えだ。また、専項債(公益事業向けに資金調達する特別地方債)の前倒し発行を当局が指示するなど、財政面での対策も強化されている。ただ、新型コロナウイルス感染再拡大やネット企業に対する締め付けなどに対する警戒感はくすぶる状況。習近平・国家主席はネット企業を念頭に、独占禁止法の改正作業を加速するよう指示した。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは買い先行か。不安材料は山積するものの、昨夜の米株が大幅上昇した流れを継ぎそうだ。なお、本日朝方(日本時間10時半ごろ)、今年1月の中国物価指標が公表される予定。最新の市場コンセンサス予想では、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比1.0%(前月は同1.5%)、生産者物価指数(PPI)が同9.5%(同10.3%)で着地する見込みだ。



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