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2021/08/09 08:55

売り先行か、中国貿易統計が下振れ 無料記事

◆週明け9日の香港マーケットは、中国景気の回復ペース鈍化を懸念し売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は良好。先週末の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.4%高と続伸し、史上最高値を更新した。機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は0.2%上昇し、前日に続き最高値を切り上げている。雇用指標の上振れで、景気回復の期待が一段と高まった。米労働省が6日公表した6月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に上回り、今年最大を記録。失業率も大幅に改善している。ただ、米連邦準備理事会(FRB)が年内にも量的緩和の縮小を開始するとの見方も浮上。米10年債利回りは急上昇し、金利高が逆風となるハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株は売りに押された。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.4%安と5日ぶりに反落している。
 一方、中国国内の環境はややネガティブ。経済回復ペースの鈍化が懸念される状況だ。先週7日に発表された今年7月の貿易統計では、輸出と輸入の伸び率が予想以上に前月から鈍化している。外需に加え、内需の弱さも顕在化した。
 なお、本日は朝方に(日本時間10時半ごろ)、中国の7月物価指標が公表される。消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比0.8%(前月は同1.1%)、生産者物価指数(PPI)は同8.8%(同8.8%)で着地すると予想されている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは売り先行する流れか。NYダウ高値更新などプラス材料はあるものの、上述したように、中国の輸出入下振れが投資家のセンチメントを冷やしそうだ。


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