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2021/09/28 08:56

底堅い展開か、中国経済対策に期待感 無料記事

◆28日の香港マーケットは、中国経済対策の期待感を支えに底堅い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は中立。昨夜の米株市場は、高安がまちまちだった。主要指標のNYダウが前営業日比0.2%高と4日続伸する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.5%安と続落している。米国内で新型コロナウイルスの新規感染者数が減少していることや、足もとの指標改善で経済回復ペースの鈍化懸念が薄らいだ。8月の米耐久財受注は前月比で1.8%増となり、市場予想(0.7%増)を大幅に上回っている。建機や化学など景気動向に敏感なバリュー(割安)株や、原油高(WTI原油先物は2.0%高と続伸し、7月上旬以来の高値を回復)を追い風に石油株が買われた。米10年債利回りが3カ月ぶりの水準に上昇する中、利ザヤ改善の期待で金融株も買われている。他方、金利高が逆風となるハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株には売りが継続した。
 一方、内部的にはネガティブ材料が重なっている。まず、デフォルトリスクに直面する中国恒大集団(3333/HK)の巨額債務を巡り、不動産業界や周辺産業に打撃を与えるとの不安は依然としてくすぶる状況だ。電力不足の深刻化も不安視されている。南方や東北で、電力需給がひっ迫し、一部エリアで電力の供給制限が実施された。鉄鋼、セメント、化学工業などを中心に多大な影響が広がる恐れがある。すでに、アップルやテスラ向けに部品を製造している工場が操業を停止したとも伝わった。ただ、政策支援の期待感は高まっている。中国人民銀行(中央銀行)は27日、中国恒大集団の債務危機を念頭に、不動産市場の健全な発展を守る意向を表明した。また人民銀はこのところ、リバースリポを通じた資金供給を連日で厚めに実施している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅い展開か。上述したように不安材料は重なっているが、中国の経済対策に対する期待感も大きい。原油高を手がかりに、石油株の物色も強まろう。また、昨日の本土市場では上海総合指数が9月3日以来の安値水準に落ち込んでいる。自律反発狙いの買いも期待できそうだ。

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