◆18日の香港マーケットは、内外環境の改善で買いが継続しそうだ。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.3％高と3日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.8％と反発した。堅調な小売指標を受け、米景気の先行き不安が後退。朝方公表された4月の米小売売上高は、変動率の大きい自動車などを除くベースで0.6％増となり、市場予想（0.4％増）を上回った。米経済をけん引する個人消費が回復する中、金融引き締めによる経済の落ち込みも和らぐとの見方も広がっている。
　中国国内の環境も安定的。社会活動正常化や経済対策に対する期待感が高まっている。上海市では、ロックダウン緩和開始の要件となる3日連続の市中感染者ゼロ（隔離者分を除く）を16日に達成し、目標としている6月下旬までの封鎖解除に弾みがついた。国内の1日当たり新規感染数は、首都北京などでも縮小している。経済対策に関しては、劉鶴副・首相が17日、プラットフォーム企業を支援すると表明。ネット企業締め付けが終了したと歓迎され、昨夜の米市場では中国ネット株ADRが軒並み急伸した。また、政府関係部局はこのところ、雇用やインフラ投資、産業支援、消費振興などに向けた対策を相次ぎ発表している。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは内外の好材料を支えに買いが継続しよう。上述したように、米景気の鈍化懸念が後退したことや、中国の社会活動正常化や経済対策に対する期待感が投資家心理を上向かせそうだ。ただ、前日のマーケットではネット株が急伸（香港市場のハンセン科技指数は5.8％高）していただけに、売り圧力が高まることには注意したい。また、電子商取引（Eコマース）大手の京東集団（JDドットコム：9618/HK）が報告した1〜3月期決算は純損益が赤字に転落。嫌気する売りが出た場合、他のネット株に波及する恐れもある。


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