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2022/10/12 09:04

下値を試す展開か、世界景気の悪化を警戒 無料記事

◆12日の香港マーケットは、世界景気の悪化懸念で下値を試す展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は依然として不透明。11日の米株市場は、様子見ムードが漂う中で方向感を欠いた。主要指標のNYダウが前日比0.1%高と5日ぶりに反発する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.1%安と5日続落。ナスダック指数は連日で年初来安値を更新している。米国では今週、9月の米消費者物価指数(CPI)が13日に公表されるほか、大手金融機関の第3四半期決算報告が集中する予定だ。中でもCPIに関しては、内容次第で米金融引き締めの長期化懸念が一段と深まる恐れもある。米債券市場では、米10年債利回りが前日に続き上昇した。そうした中、米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は33.63となり、前日比で3.64%上昇。警戒水域と言われる30を上回って推移している。
 内部環境もネガティブ。国慶節連休をきっかけに、国内では新型コロナウイルスの新規感染数が増加している。中国共産党機関誌の人民日報は11日、「国民生活を守るため『ゼロコロナ』政策を堅持する必要がある」などとする論説を改めて掲載した。16日開幕の5年に1度の中国共産党大会を前に、行動抑制が強化される恐れもある。また、国際通貨基金(IMF)は11日、最新の世界経済見通し(WEO)を公表し、うち中国については、今年の成長率を3.2%(7月時点の予想は3.3%)、2023年の成長率を4.4%(同4.6%)に下方修正した。IMFは世界全体の見通しも下方修正し、「最悪期はこれから」と警鐘を鳴らしている。
 なお、中国人民銀行(中央銀行)は11日遅く、9月の金融統計を公表。人民元建て新規融資額は2兆4700億人民元に上り、8月実績からほぼ倍増した。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは下値を試す展開となろう。上述したように、世界的な景気悪化懸念が投資家心理を冷やしそうだ。



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