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2022/07/27 08:44

上値の重い展開か、世界経済の減速を懸念 無料記事

◆27日の香港マーケットは、世界経済の減速懸念で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はややネガティブ。26日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.7%安と反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.9%安と3日続落した。経済指標の悪化と企業決算の警戒感が重しとなっている。米コンファレンス・ボードが26日に発表した6月の米消費者信頼感指数は95.7に低下し、21年2月以来の低い水準に落ち込んだ。主要企業の決算報告が本格化する前に、小売大手のウォルマートは25日、通年の利益見通しを下方修正。消費指標が低迷したこともあり、米経済をけん引する個人消費の落ち込みが不安視された。今週はアルファベット(グーグル)やマイクロソフト、アップル、アマゾンなどハイテク大手が業績発表を予定。マイクロソフトが引け後に発表した4〜6月期決算では、売上高が予想を下回った。同社株は時間外取引で下落している。
 世界経済の減速も懸念。国際通貨基金(IMF)は26日、最新の世界経済見通し(WEO)を公表し、今年の世界経済成長率を3.2%に再び下方修正した(4月時点の予想は3.6%、1月時点では4.4%)。
 一方、中国国内の環境はそれほど悪くない。中国当局が産業支援策を強めている。資金繰り難に直面する不動産デベロッパーを支援するため、中国政府は2000億〜3000億人民元(約4兆〜6兆円)規模のファンド創設を計画しているもよう――などと伝わった。また、中国人民銀行(中央銀行)などは、旅行業界を救済するためのファンドを設立すると発表している。
 なお、「バイデン米大統領と習近平・中国国家主席は28日、電話会談を実施する」との観測が流れた。会談では、ロシアのウクライナ侵攻や台湾海峡の安定などが話し合われる見込みで、対中関税の一部撤廃が議題に上る公算は低いという。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の産業支援策に対する期待感は支えになりそうだが、世界景気の減速懸念が相場の足かせとなりそうだ。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)が27日(日本時間28日未明)、政策金利を発表することも買い手控え要因となる可能性もあろう。


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