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2022/03/08 08:51

売り先行か、世界経済の混乱を警戒 無料記事

◆8日の香港マーケットは、世界経済の混乱を警戒した売りが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は依然としてネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前営業日比2.4%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が3.6%安とそろって3日続落した。NYダウの下落率は今年最大で、昨年3月以来、約1年ぶりの安値水準に落ち込んでいる。世界経済の先行き不安が投資家心理の重し。米欧の首脳は7日に電話会談し、ロシアに対する経済制裁を今後も強めていくことで一致した。ロシア産原油の輸入禁止も検討しているという。原油先物はおよそ14年ぶりの高値に急騰し、非鉄や穀物なども大幅に値上がり。実体経済に対する影響が懸念された。また、ロシアとウクライナは昨夜、3回目となる停戦交渉に臨んだが、目立った成果は見られない。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は36.45に達し、前日比で13.98%上昇。警戒水域と言われる30を連日で超過し、昨年1月以来の高い水準に達した。
 一方、中国では、国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が先週5日に開幕(会期は11日まで)。李克強・首相が開幕式で読み上げた「政府活動報告」では、経済の安定成長を重視するスタンスが明示されている。各種経済対策に対する期待感も広がる状況だ。
 なお中国では、来週にかけて2月の経済統計が相次ぎ発表される。あす9日は物価統計、来週15日は小売売上高や鉱工業生産など。前日に公表された1〜2月の貿易統計に関しては、輸出と輸入の伸びがそろって予想を上回っている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは苦戦を強いられそうだ。中国経済対策の期待感は根強いものの、インフレ高進を背景とした世界景気の先行き不安が重しとなろう。


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