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2022/04/27 09:09

売り先行か、世界経済の先行きを不安視 無料記事

◆27日の香港マーケットは、世界経済の先行き不安で売り先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比2.4%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が4.0%安とそろって急反落した。ナスダック指数は年初来安値を更新している。悪材料が相次ぎ、世界経済の先行き不安が強まった。ロシア外相は25日、ウクライナと西側諸国の対応を非難したうえで、紛争が長引けば核戦争に発展する可能性があると発言。ロシア国営の天然ガス企業はポーランドとブルガリアに対し、ガス供給を27日から停止すると通知した。また、中国ではロックダウン(都市封鎖)が拡大するとの見方があり、サプライチェーン混乱の懸念が浮上。中国関連とされるスポーツ用品のナイキや航空機のボーイング、事務用品のスリーエム(3M)などが大幅に下落した。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は33.52となり、前日比で24.06%上昇。警戒水域と言われる30を上回った。
 一方、中国国内では悪材料と好材料が交錯している。まず、企業業績の不振がマイナス材料だ。中国財政部が26日公表したところによれば、国有企業の今年1〜3月利益は前年同期比7.0%増にとどまり、増加率は1〜2月の16.8%を9.8ポイント下回っている。また、新型コロナウイルス感染対応によるロックダウンが拡大するとの見方も懸念材料だ。他方、中国経済対策に対する期待感が高まっていることはプラス。国営メディアが26日報じたところによれば、政府は経済成長を促し、内需を拡大するため、インフラ建設を強化する方針だ。ほか、中国人民銀行(中央銀行)は同日、穏健な金融政策で実体経済を支える方針を改めて強調し、新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた中小企業を支援する方針を示した。
 なお香港では、主要な中国企業の決算報告が佳境入りしている。本日は鞍鋼(347/HK)や中国石油化工(386/HK)、香港交易所(388/HK)、龍源電力集団(916/HK)、中国神華能源(1088/HK)、比亜迪(1211/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、北京汽車(1958/HK)、広州汽車集団(2238/HK)、中国人寿保険(2628/HK)などが1〜3月期業績を公表する予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられる展開か。中国の経済対策に対する期待感は支えになりそうだが、上述したように世界経済の先行き不安が投資家心理の重しとなろう。


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