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2022/03/16 08:49

反発か、米株高が追い風に 無料記事

◆16日の香港マーケットは、米株高を支えに買い戻しが入る展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はひとまず安定している。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.8高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.9%高と4日ぶりに急反発した。過度なインフレ懸念の後退が投資家の買い安心感につながっている。WTI原油先物は6.4%安と大幅に続落し、一時、約3週ぶりの安値を付けた。ロシアがウクライナ侵攻する前の水準に落ち着いている。米労働省が15日公表した2月の米卸売物価指数(PPI)の上昇率は前月比で0.8%となり、前月比での伸びは1月の1.2%から予想(0.9%)以上に鈍化した。翌日(日本時間17日未明)に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、2018年12月以来、およそ3年ぶりに利上げが決定される見通しだが、「引き締めを加速させることはない」との見方も一部で広がっている。また、ウクライナ情勢を巡っては、同国政府高官が15日、「ロシアとの停戦交渉は難航しているが妥協の余地もある」と発言。協議は16日も継続する予定だ。
 一方、内部的には不安材料がある。新型コロナウイルス感染症の急増を背景に、景気鈍化の警戒感が強まる状況だ。感染が全国的に広がる中国本土では、代表的なハイテク企業が本社を構える深セン市など、複数の大都市が事実上のロックダウンに踏み切っている。14日に確認された1日当たりの新規感染者数は、再び過去2年で最多となった。北京市に近い河北省廊坊市でもロックダウンが実施されるなど、各地で社会活動が停滞している。香港域内でも感染増に歯止めがかからず、感染症の死亡率は世界最悪の水準に達した。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。中国・香港の新型コロナ感染再拡大は引き続きネガティブ材料として意識されそうだが、足もとの下落が急ピッチだったこともあり、昨夜の米株高をきっかけに買い戻しが入りそうだ。前日のマーケットでは、ハンセン指数が5.7%安で6年1カ月ぶり安値、上海総合指数が5.0%安で1年8カ月ぶり安値とそれぞれ急落している。


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