◆23日の香港マーケットは、内外環境の改善でしっかりとした展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は安定的。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.7％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.0％高とそろって反発した。米利上げの加速が織り込まれつつあるほか、主要企業の好決算が投資家心理を上向かせている。スポーツ用品のナイキが公表した12〜2月期決算では、売上高が市場予想を大幅に上回った。市場に「個人消費は良好」との見方が広がっている。また、パウエル米連邦準備理事会（FRB）議長が大幅利上げに踏み切る可能性を示唆する中、米長期金利は一時、2019年5月以来の高値を付け、利ザヤ改善の期待で金融株が物色された。金利高が逆風となるハイテクなど高PER（株価収益率）のグロース（成長）株も、このところの下落で織り込みが進んだとの見方で上昇している。
　一方、内部的には、経済対策の期待感が持続。李克強・首相が主宰した21日の国務院（内閣に相当）常務会議では、景気下支えのため、金融支援を強化する方針が改めて示された。中国人民銀行（中央銀行）は先週、主導的な金融政策を実施し、新規融資の適度な増加を促す方針を明らかにしている。
　なお、香港・本土では、主要企業の決算報告が本格化。23日は、吉利汽車HD(175/HK)や騰訊HD(テンセント・ホールディングス：700/HK)、馬鞍山鋼鉄(323/HK)、中国移動(941/HK)、海底撈国際HD(6862/HK)などが通期決算の発表を予定している。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。中国経済対策の期待感が根強いことや、昨夜の米株高が追い風となろう。また、業績動向を手がかりにした売買も活発化しそうだ。前日引け後に公表された主要な決算では、閲文集団（チャイナ・リテラチュア：772/HK）が黒字転換、薬明生物技術（ウーシー・バイオロジクス：2269/HK）が101％増益、小米集団（シャオミ・コーポレーション：1810/HK）が5％減益などとなっている。