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2020/07/14 09:08

神経質な値動きか、米中対立の警戒感くすぶる 無料記事

◆14日の香港マーケットは、米中対立の警戒感がくすぶるなかで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比で一時2.2%高と急伸したものの、引けにかけて急速に失速し0.04%高と小幅な上昇にとどまった。連日で最高値を更新していたハイテク株比率の大きいナスダック指数は、2.1%安と4日ぶりに反落している。新型コロナウイルスのワクチン開発が進む一方、足元ではコロナ感染者数の増加に歯止めがかかっていない。経済回復ペースが鈍化すると懸念されている。コロナ感染症の入院者数が過去最多を更新したカリフォルニア州では13日、レストランやバーの店内飲食や、映画館の営業が禁止された。また、連日で上場来高値を更新していた主力ハイテク株が売りに押されたことも全体相場の重し。動画配信のネットフリックスが4.2%安、ネット通販のアマゾンが3.0%安とそろって反落した。
 米中関係の緊張も不安材料。トランプ米政権は13日、中国が南シナ海の権利を主張することを不法だと正式に非難した。中国政府はこれより先、米国が「ウイグル人権政策法」を成立させたことの報復として、関与した複数の米議員などに制裁を科すと表明している。
 一方、13日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.8%高と反発。景気持ち直し期待が高まったほか、海外マネーの流入が好感された。新型コロナウイルス感染のクラスターが6月に発生した北京市では、12日まで7日連続で新規感染者の報告がなかった。経済活動の正常化が進むとの見方が再び広がっている。また、米銀が10日公表したデータによれば、2〜8日の1週間で中国株ETFに61億米ドルの資金が流入。週間では2015年7月以来、過去2番目の規模という。このほか、洪水や害虫の被害が報告されるなか、中国当局が建設、水利、農業に絡んだ支援姿勢を強めるとの思惑で関連銘柄が物色された。
 なお本日は、取引時間中に6月の中国貿易統計が公表される。輸出と輸入はそれぞれ、前月から改善するとの予測だ。16日には同月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)と4〜6月GDP成長率が発表される。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。上述したように、米中対立の警戒感が相場の重しとなりそうだ。また、中国の指標発表も気がかり材料として意識されよう。


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