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2022/03/28 08:56

売り先行か、上海市がロックダウン 無料記事

◆週明け28日の香港マーケットは、上海市のロックダウンを不安視した売りが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には不透明感がくすぶる。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.4%高と続伸したものの、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.2%安と反落した。長期金利の上昇や原油相場の反発で銀行株やエネルギー株が買われる半面、金利高が逆風となるハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株は値を下げている。
 ウクライナ紛争を巡る動向も気がかり。バイデン米大統領は26日、「ロシアはウクライナで勝利することはない。この男(プーチン露大統領)は権力の座にいられない」とワルシャワで演説した(米ホワイトハウスの関係者はその後、「体制転換について語ったわけではない」と釈明)。ロシアとウクライナの停戦交渉は近く再開されると伝わっているものの、戦闘は激しさを増していることもあり、状況改善は難しいとの見方も流れている。
 一方、中国国内にもネガティブ材料が浮上。中国で新型コロナウイルス感染が再拡大し、1日当たり感染者数が過去最多を更新する中、上海市は市を2分割し事実上のロックダウン(都市封鎖)に突入する(西側は28日から4日間、東側は4月1日から4日間の封鎖)。経済活動の停滞で景気先行き懸念も改めて強まりそうだ。
 一方、香港・本土では、主要企業の決算報告がピークを迎えつつある。本日は、青島ビール(168/HK)や万洲国際(288/HK)、康師傅HD(322/HK)、保利協キン能源HD(3800/HK)、中信証券(6030/HK)、京東健康(6618/HK)、農夫山泉(9633/HK)、小鵬汽車(9868/HK)などが通期決算の発表を予定している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。上述したように、上海市のロックダウンが投資家心理を冷やすことになろう。また、米上場する中国企業の会計検査を巡る対立が根強いこともマイナス材料だ。目先は業績動向に着目した物色か。先週公表された決算では、中国神華能源(1088/HK)が44%増益、中国建築国際集団(3311/HK)が13%増益、新疆新キン鉱業(3833/HK)が240%増益などとなっている。


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