◆6日の香港マーケットは、米株と原油相場の上昇を材料にしっかりとした展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は良好。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.4％高と4日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5％高と6日続伸した。NYダウは約2カ月ぶりの高値水準を回復し、ナスダック指数は史上最高値を連日で更新している。ワクチン開発のポジティブニュースが相次ぎ、投資家のリスク選好スタンスが強まった。米バイオテクノロジー企業のノババックスは4日、ワクチン候補の初期臨床試験で有望な結果が得られたことを発表。米製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソン（J&J）は5日、開発中のワクチンについて、米政府と1億回分の供給で合意したことを明らかにした。また、難航している追加の経済対策の協議について、前進の期待が浮上。ニューシン米財務長官は4日、週内に全般的な合意を目指す考えを示した。
　一方、5日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.2％高と小幅ながら4日続伸。約3週ぶりの高値水準を回復している。中国の政策期待が引き続き支えとなった。中国人民銀行（中央銀行）が4日に開いた会議では、下半期の金融政策を一段と柔軟化することや、マネーサプライと社会融資総額（資金調達総額）の伸び率を2019年よりも高い水準で維持すること――などが強調されている。また、外電は5日、「外部リスクが増大するなか、中国指導部は内需押し上げに軸足を置く方針」と政府関係者の話として報じた。セクター別では、ITハイテク関連が軒並み上昇。中国の国務院（内閣に相当）は4日、半導体産業、ソフトウエア産業の発展を支援するための新政策を発表した。
　こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開となろう。昨夜の米株高に加え、原油高も支援材料だ。昨夜のWTI原油先物は1.2％高で4日続伸し、一時は約5カ月ぶりの高値に達している。エネルギー関連銘柄が物色されそうだ。


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